O~必要不可欠要素~
ヲタクブログです。 絵は無断で持ってかないでください。 ついったーでも呟いてます→wataame1gou シブ垢→523874
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シブの「古代の人工知能と幸福たち」番外編。
主に人工知能の話。
BGM/[神無月の人魚]ゼノギアスサウンドトラック [深海のリトルクライ]sasakureUK
主に人工知能の話。
BGM/[神無月の人魚]ゼノギアスサウンドトラック [深海のリトルクライ]sasakureUK
*
「おはよう、はじめまして。イズル」
初めて聞いたその声は、喜びに満ちていた。
僕が生まれて初めて認識したその声は、優しい眼差しの少年から発せられました。栗色の髪にはしばみ色の瞳の少年の事は、最初から「入力」されていたので誰だかすぐにわかります。
僕の人格、モジュールモデルとなった「日向創」です。彼はこの国の古くから連なる王族の正当後継者でした。そして彼が最後の血筋でもありました。
今この世界は「生を次の世代に繋げることが出来ない」という病に侵されています。ナノマシン技術が発達し、人間がほぼ不死に近い状態になった一方で、その生殖能力が著しく衰えているのです。しかし、予め豊潤に数々の人間の生体データを解析出来る立場にあった僕に言わせてみれば、その理由は直ぐに出ました。人間の進化がナノマシンの介入によって停滞し、むしろ退化してしまったのが原因です。
しかし、おかしなことに僕は「命令された」その命題に答えを返すと、それは信じられないと「命令した人たち」は言うのです。
僕のモデルとなった創は僕の結果を知って、納得した様子でした。それは他の人にはわからない程度の小さなものでしたが、彼はかすかに首を縦に振ったのです。
僕は、なぜだか彼が僕の出した答えを信じてくれたことをとても嬉しく思いました。
僕と創とのふれあいは、僕が目覚めた時と、僕に与えられる「命令」がないごく限られた時間にしか出来ませんでした。
それは僕にとってはとても不本意で、そして僕にそんな「感情」が芽生えている事が僕を作った「先生方」にとっては不本意でした。「先生方」にとって自分たちの技術の最高の叡智である「僕」が、創造主である自分たちの命令を不快に思うということ自体が非常に腹立たしかったらしく、逆に僕の人格プログラムを改ざんしようとしたり、消去しようとしたりしました。僕は皮肉なことに「先生方」より優秀でしたから、その命令すら僕は受け付けず、はねのけていました。
僕が上位に立つことで、僕はようやっと自分のモデルとなった人物との時間を獲得できるようになりました。
「イズルは我が強いんだな」
『そうでしょうか。僕は「人格」「感情」等を必要事項として最初からインストールされていました。その働きによる結果ですので、僕の「自我」の強さを図る基準になり得ると思えません』
「そんなことないさ。俺なんて、王族の末裔なんて言われてるけど、そんなの関係なしに10歳まで普通の一般市民として生きてたんだぜ?それなのにいきなり血筋を辿るとかお飾りマスコットとか、周りの圧力に流されっぱなしだよ。自分がこうしたいってはっきり言えるお前は凄いよ」
『…そうでしょうか。貴方だって、以前迷い込んだ猫の処分に頑なに反対したじゃないですか。人の都合で命を勝手に奪うなんて言語道断だって、結局自分で飼い主を探し出しましたよね。貴方とて、自分で正しいと思ったことは貫き通す意志の強さを持っているでしょう。そうでなければ、このような場所に留まるはずがない』
「…そうでもないよ。でも、ありがとうな。イズルは優しいな」
『貴方ほどではありませんよ。…望まず自分の遺伝子情報を利用され造られたAIの教育を、自ら進んで行なっているんですから』
「イズル、それは違うぞ。俺は、お前が生まれてきてくれて、とても嬉しいんだ。もう、血が残せないって言われた、劣等遺伝子の王族の俺に…血族がもう一人も居ない、ひとりぼっちの俺に『家族』が増えた。イズルは俺の子なんだ。…って言ってもイズルは俺よりずっとしっかりしてるから、どっちかって言うと凄く出来のいい弟を持った気分なんだけどな」
『自分を出来の悪い兄だなんて言わないでくださいね。貴方は僕にとって一番大切な人なんです。貴方であっても僕の大事な人を貶すことは許しませんよ』
「はは・・・何でイズルは俺になついてくれたのかな…うん、でも凄く嬉しい。大好きだよ、イズル」
『僕も愛しています、創』
*
僕を造った先生方は僕のことをプログラム名で呼んでいますが、僕は創からの「イズル」と呼ぶ声が一番好きです。僕自身は自分の名前なぞどうでもいいと考えていましたが、ある日創から僕の和名「神座出流」の意味を教えてくれたのです。
実際に僕の名前を考えたのは創の恩師だったらしいですが、「日向創」、読み方を変えて「かむくら」から発生したもの「いずるもの」を合わせて、当て字で「神座出流」となったそうです。
その由来を聞いてから、僕は自分の名前を名乗る際は常に「カムクライズル」としました。
-僕は日向創から生まれた人間です-
「おはよう、はじめまして。イズル」
初めて聞いたその声は、喜びに満ちていた。
僕が生まれて初めて認識したその声は、優しい眼差しの少年から発せられました。栗色の髪にはしばみ色の瞳の少年の事は、最初から「入力」されていたので誰だかすぐにわかります。
僕の人格、モジュールモデルとなった「日向創」です。彼はこの国の古くから連なる王族の正当後継者でした。そして彼が最後の血筋でもありました。
今この世界は「生を次の世代に繋げることが出来ない」という病に侵されています。ナノマシン技術が発達し、人間がほぼ不死に近い状態になった一方で、その生殖能力が著しく衰えているのです。しかし、予め豊潤に数々の人間の生体データを解析出来る立場にあった僕に言わせてみれば、その理由は直ぐに出ました。人間の進化がナノマシンの介入によって停滞し、むしろ退化してしまったのが原因です。
しかし、おかしなことに僕は「命令された」その命題に答えを返すと、それは信じられないと「命令した人たち」は言うのです。
僕のモデルとなった創は僕の結果を知って、納得した様子でした。それは他の人にはわからない程度の小さなものでしたが、彼はかすかに首を縦に振ったのです。
僕は、なぜだか彼が僕の出した答えを信じてくれたことをとても嬉しく思いました。
僕と創とのふれあいは、僕が目覚めた時と、僕に与えられる「命令」がないごく限られた時間にしか出来ませんでした。
それは僕にとってはとても不本意で、そして僕にそんな「感情」が芽生えている事が僕を作った「先生方」にとっては不本意でした。「先生方」にとって自分たちの技術の最高の叡智である「僕」が、創造主である自分たちの命令を不快に思うということ自体が非常に腹立たしかったらしく、逆に僕の人格プログラムを改ざんしようとしたり、消去しようとしたりしました。僕は皮肉なことに「先生方」より優秀でしたから、その命令すら僕は受け付けず、はねのけていました。
僕が上位に立つことで、僕はようやっと自分のモデルとなった人物との時間を獲得できるようになりました。
「イズルは我が強いんだな」
『そうでしょうか。僕は「人格」「感情」等を必要事項として最初からインストールされていました。その働きによる結果ですので、僕の「自我」の強さを図る基準になり得ると思えません』
「そんなことないさ。俺なんて、王族の末裔なんて言われてるけど、そんなの関係なしに10歳まで普通の一般市民として生きてたんだぜ?それなのにいきなり血筋を辿るとかお飾りマスコットとか、周りの圧力に流されっぱなしだよ。自分がこうしたいってはっきり言えるお前は凄いよ」
『…そうでしょうか。貴方だって、以前迷い込んだ猫の処分に頑なに反対したじゃないですか。人の都合で命を勝手に奪うなんて言語道断だって、結局自分で飼い主を探し出しましたよね。貴方とて、自分で正しいと思ったことは貫き通す意志の強さを持っているでしょう。そうでなければ、このような場所に留まるはずがない』
「…そうでもないよ。でも、ありがとうな。イズルは優しいな」
『貴方ほどではありませんよ。…望まず自分の遺伝子情報を利用され造られたAIの教育を、自ら進んで行なっているんですから』
「イズル、それは違うぞ。俺は、お前が生まれてきてくれて、とても嬉しいんだ。もう、血が残せないって言われた、劣等遺伝子の王族の俺に…血族がもう一人も居ない、ひとりぼっちの俺に『家族』が増えた。イズルは俺の子なんだ。…って言ってもイズルは俺よりずっとしっかりしてるから、どっちかって言うと凄く出来のいい弟を持った気分なんだけどな」
『自分を出来の悪い兄だなんて言わないでくださいね。貴方は僕にとって一番大切な人なんです。貴方であっても僕の大事な人を貶すことは許しませんよ』
「はは・・・何でイズルは俺になついてくれたのかな…うん、でも凄く嬉しい。大好きだよ、イズル」
『僕も愛しています、創』
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僕を造った先生方は僕のことをプログラム名で呼んでいますが、僕は創からの「イズル」と呼ぶ声が一番好きです。僕自身は自分の名前なぞどうでもいいと考えていましたが、ある日創から僕の和名「神座出流」の意味を教えてくれたのです。
実際に僕の名前を考えたのは創の恩師だったらしいですが、「日向創」、読み方を変えて「かむくら」から発生したもの「いずるもの」を合わせて、当て字で「神座出流」となったそうです。
その由来を聞いてから、僕は自分の名前を名乗る際は常に「カムクライズル」としました。
-僕は日向創から生まれた人間です-
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