O~必要不可欠要素~
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カム姫成人後、宮入り(嫁入り)してからの日常話…を書くつもりが最初から話してた。
今まで明言はしてませんでしたが、一応平安パロです。安倍晴明がいた頃くらいのイメージだけど適当なので色々違ってると思う。
寸止め
今まで明言はしてませんでしたが、一応平安パロです。安倍晴明がいた頃くらいのイメージだけど適当なので色々違ってると思う。
寸止め
「俺とお前は一心同体、一緒に生きてこうな」
僕にそう言ってくれた人は僕の成人とほぼ同時にこの国のトップになりました。
僕の名は、仮にカムクライズルとしましょう。基本的に僕の住んでいる世界では女性には名前がなく、通名で呼ばれるのが普通です。
僕の通名は宮にお勤めにいく前は「神座女(かむくらのむすめ)」で、現在の帝の正室になっている今は「北の方」や「葵の上」とも呼ばれています。北の方というのは正室の住まう場所が宮の中でも北の方角にあるからで、葵の上というのも庭に大量の葵が茂っているから来ています。安直なネーミングセンスですね。
この国では帝の后を集める場所があります。他国で言うところの後宮のようなものです。そこにある程度地位の高い貴族の娘は集められ、帝の世継ぎを残すのがお勤めとなるわけです。
今の帝は、のちの記録に日向帝(ひむかいのみかど)と呼ばれる方で、僕の恩人でもあります。
僕は彼と二人きりになる時は彼を創と呼びます。日向創、それが彼が帝になる前の氏名でした。
僕のカムクライズルという名前は創がつけてくれたものです。僕にとって意味のある名前は、創が呼んでくれる「イズル」という声だけでした。
僕がこの世に発生した時、そこにはおびただしい憎悪と苦しみがありました。知らぬ誰かの憎しみ、悲しみで張り裂けた心とズタボロな肉体から僕は生まれ、突然の感情の渦に僕は混乱状態に陥りました。
生まれたその瞬間から人は記憶を持ち続けるのか、僕にはわかりませんでしたが、自分を囲む男たちと殆ど裸同然の自分の身体に恐慌状態になった僕は言葉を失いました。どうやらその直前まで「僕」の身体の持ち主だった人間は叫ぶなり暴れるなりしていたようで、僕の異変に気付いた男性が、ゆっくりと僕の頭を撫でました。
「どうした、○○?…いや、違うのか。お前は誰だ?にょっきり角が生えてるぞ」
「つの…」
「ほら、ここに」
僕は額の生え際からつるりと伸びたそれに初めて気付きました。そしてそれを男性に優しく撫でられ、いきなり腰が抜けました。背筋を駆け上がるよくわからない電流のような刺激に膝の力が抜けたのです。そしてそれは角を触れられたからだと気付きました。
僕はとっさに顔を赤らめ、首をすくめました。
するとゆるゆると角に触れていた男性が僕の様子に気付き、「あ、ごめん」と手を引っ込めました。
気付くと緊張に包まれていた周囲もその糸が切れていた様子です。どうやら僕が落ち着いたので、緊張が解けたのでしょう。
他の、やたら全身が白い男性が僕の近くにやって来ました。僕はとっさに最初に僕に触れた男性の影に隠れ、その衣を握っていました。
「…また懐かれたみたいだね、日向くん」
「またってなんだよ。いつもお前に憑いてるだろ」
「…それだって、彼らが僕の力でこの世に現れて君の事を観察したいからに決まってるじゃないか。って言ってもいつも理解しないよね君。鈍感過ぎる」
「何がだよ。文句は受け付けないぞ」
どうやら二人はそれなりに仲が良いようです。僕は少しツマラナクなって、黒髪の男性の袖を引きました。
「ああごめん。俺は日向創だ。お前は名前あるのか?」
最初に自分の名前を言っちゃ駄目だって何度も言ってるのに…と後ろで白い男がブツブツ言っていました。けど僕と日向創と名乗った人はそれを無視しました。
「僕は…わかりません。僕が今なぜここにいるのかも、なぜ生まれたのかも」
「生まれた、か。その前の記憶が全くないってことか?」
「…彼女が絶望して自殺した時の恨み辛みが噴出して、生成になってしまったのかな。それが全くの魂を引き寄せて、肉体に入ってしまった」
「つまり今俺が話しているコイツは彼女じゃないってことか」
「む、娘はもういないのかね?!」
突如後ろで様子を伺っていたやや白髪の混ざった男が声を張り上げました。脂汗をかいていて、見ていて不愉快になるほどです。僕はつい眉根を顰めました。
「神座殿、既に呪術に陥ってしまった時点で娘さんの魂は消滅しています。代わりに呼び出された魂が娘さんの肉体に宿る事になった。彼女を取り戻すのは、死者を蘇らせるより困難ですよ。僕でも無理です」
「そ、そんな!それに、鬼の子だなんて…いっそ死んでしまった方がマシだ!」
「叔父上!滅多なことをおっしゃりますな!!…貴方がそうおっしゃるなら、この子を俺が引き取ります」
「な…」
「俺の嫁にすれば、世間からも娘の死亡を、その原因を噂されることもなくなります。そうですよね?」
そう力強く論破した日向創に、僕の命は救われることになりました。
死者の肉体に新たに宿った妖かしは、その肉体を自分のモノに再構築するために一度赤子から育ち直さなければなりませんでした。あの後意識を失った僕は、目覚めると赤ん坊となって創の腕に抱えられていました。
「イズル、もう安心していいからな。…仕事の関係で俺はずっとは一緒にいられないけど、俺ともう一人いた、狛枝ってやつのところにお前の面倒を見てくれる優しいやつが何人もいるから、寂しくないぞ」
そう言って僕の顔を見つめる創の顔は慈しみに溢れた表情でした。
「あ、イズルってのは俺が勝手につけた名前だから、嫌なら変えていいぞ。お前、身体は赤ん坊でも意識はしっかりしてるんだよな?だったよな狛枝?」
「そうだよ。それにこの子、その名前気に入ってるみたいだよ。良かったねカムクライズルくん、生まれ落ちた時に優しい人がいて、幸運だったね」
そう言った狛枝という人物は、なぜか少し拗ねた様子でした。今思えば自分の仕事に友人の創が出てきた挙句自分が子供の面倒を見ることになってげんなりしていたのでしょう。
僕という魂は男の性で、元の肉体は女、その結果僕の肉体は両性具有の女性よりの肉体となりました。
背は女性の平均より高いですが、身なりを整えたら女性と見える身体です。
その為再成長が完了した暁には帝となった創の后として問題なく宮に入りました。
運のいいことに元の肉体の主は大貴族の娘だったようで、宮の中でも強い立場に要られた為正室になるのには苦も無く、創もその愛寵を掛けるのは僕に一点集中だったので(一応周りに文句を言われないよう彼なりに立ち回ってくれましたが)後継ぎも生まれました。
そして、本人曰く自分はただのお飾りだと言っていた政(まつりごと)の件ですが…確かに彼自身政を行うには狸と狐が大量にいる内裏で困難な状態だったので、彼の決断力をサポートする形で僕が裏で助言を与えています。
創は確かに素人ですが、素人なりに倫理観を持ち合わせていますし、他人を無碍に利用しようとするのを嫌うため、もともと若手に非常に人気が有りました。彼なりの立場で弱者を助けるために裏で手を回すことが多く、その為の方法を僕が全面的に助言するという事があって、それなりに政も回っているようです。
それとくだらない理由で創の命を狙う莫迦共を僕が一掃しているのも事実です。
食事すら気を抜けない創の為に僕の部屋で食事することも多く、その時僕は自ら変装して料理を準備し、創にたっぷり食べてもらっています。ニコニコとお腹いっぱいごはんを食べる創を見られるのは僕くらいだろうと自負しています。見せてやるものですか。
創は僕の部屋にやって来るといつも僕の角を見たがります。僕の正体を知っているのは創と陰陽師の狛枝と僕の誕生に立ち会った神座家当主だけで、特に創は僕の角にとても執着しています。創曰く「一目惚れ」だったそうですが、僕にはその感覚が理解出来ません。
でも、創の前だけで僕の正体を明かすのは嫌ではありません。むしろ…。
普段は妖力を使って角を見えないようにしていますが、そもそも高貴な立場にいる女性は人前に顔を出さないものなので、殆ど御簾の中で着物を頭に被って過ごしています。
人払いをした室内に、御簾ごしに創からの「イズル」の声が聴こえたら、僕はただじっと待ちます。
とくりとくりと高鳴る胸を抑え、御簾をかき分ける創の雄らしい節くれだった手が見えると、僕は頭を垂れ、頭を創に差し出します。
そっと頭巾代わりの衣を頭から滑り落として、創が僕の角に口付けするのが合図で、閨の営みが始まります。
僕にそう言ってくれた人は僕の成人とほぼ同時にこの国のトップになりました。
僕の名は、仮にカムクライズルとしましょう。基本的に僕の住んでいる世界では女性には名前がなく、通名で呼ばれるのが普通です。
僕の通名は宮にお勤めにいく前は「神座女(かむくらのむすめ)」で、現在の帝の正室になっている今は「北の方」や「葵の上」とも呼ばれています。北の方というのは正室の住まう場所が宮の中でも北の方角にあるからで、葵の上というのも庭に大量の葵が茂っているから来ています。安直なネーミングセンスですね。
この国では帝の后を集める場所があります。他国で言うところの後宮のようなものです。そこにある程度地位の高い貴族の娘は集められ、帝の世継ぎを残すのがお勤めとなるわけです。
今の帝は、のちの記録に日向帝(ひむかいのみかど)と呼ばれる方で、僕の恩人でもあります。
僕は彼と二人きりになる時は彼を創と呼びます。日向創、それが彼が帝になる前の氏名でした。
僕のカムクライズルという名前は創がつけてくれたものです。僕にとって意味のある名前は、創が呼んでくれる「イズル」という声だけでした。
僕がこの世に発生した時、そこにはおびただしい憎悪と苦しみがありました。知らぬ誰かの憎しみ、悲しみで張り裂けた心とズタボロな肉体から僕は生まれ、突然の感情の渦に僕は混乱状態に陥りました。
生まれたその瞬間から人は記憶を持ち続けるのか、僕にはわかりませんでしたが、自分を囲む男たちと殆ど裸同然の自分の身体に恐慌状態になった僕は言葉を失いました。どうやらその直前まで「僕」の身体の持ち主だった人間は叫ぶなり暴れるなりしていたようで、僕の異変に気付いた男性が、ゆっくりと僕の頭を撫でました。
「どうした、○○?…いや、違うのか。お前は誰だ?にょっきり角が生えてるぞ」
「つの…」
「ほら、ここに」
僕は額の生え際からつるりと伸びたそれに初めて気付きました。そしてそれを男性に優しく撫でられ、いきなり腰が抜けました。背筋を駆け上がるよくわからない電流のような刺激に膝の力が抜けたのです。そしてそれは角を触れられたからだと気付きました。
僕はとっさに顔を赤らめ、首をすくめました。
するとゆるゆると角に触れていた男性が僕の様子に気付き、「あ、ごめん」と手を引っ込めました。
気付くと緊張に包まれていた周囲もその糸が切れていた様子です。どうやら僕が落ち着いたので、緊張が解けたのでしょう。
他の、やたら全身が白い男性が僕の近くにやって来ました。僕はとっさに最初に僕に触れた男性の影に隠れ、その衣を握っていました。
「…また懐かれたみたいだね、日向くん」
「またってなんだよ。いつもお前に憑いてるだろ」
「…それだって、彼らが僕の力でこの世に現れて君の事を観察したいからに決まってるじゃないか。って言ってもいつも理解しないよね君。鈍感過ぎる」
「何がだよ。文句は受け付けないぞ」
どうやら二人はそれなりに仲が良いようです。僕は少しツマラナクなって、黒髪の男性の袖を引きました。
「ああごめん。俺は日向創だ。お前は名前あるのか?」
最初に自分の名前を言っちゃ駄目だって何度も言ってるのに…と後ろで白い男がブツブツ言っていました。けど僕と日向創と名乗った人はそれを無視しました。
「僕は…わかりません。僕が今なぜここにいるのかも、なぜ生まれたのかも」
「生まれた、か。その前の記憶が全くないってことか?」
「…彼女が絶望して自殺した時の恨み辛みが噴出して、生成になってしまったのかな。それが全くの魂を引き寄せて、肉体に入ってしまった」
「つまり今俺が話しているコイツは彼女じゃないってことか」
「む、娘はもういないのかね?!」
突如後ろで様子を伺っていたやや白髪の混ざった男が声を張り上げました。脂汗をかいていて、見ていて不愉快になるほどです。僕はつい眉根を顰めました。
「神座殿、既に呪術に陥ってしまった時点で娘さんの魂は消滅しています。代わりに呼び出された魂が娘さんの肉体に宿る事になった。彼女を取り戻すのは、死者を蘇らせるより困難ですよ。僕でも無理です」
「そ、そんな!それに、鬼の子だなんて…いっそ死んでしまった方がマシだ!」
「叔父上!滅多なことをおっしゃりますな!!…貴方がそうおっしゃるなら、この子を俺が引き取ります」
「な…」
「俺の嫁にすれば、世間からも娘の死亡を、その原因を噂されることもなくなります。そうですよね?」
そう力強く論破した日向創に、僕の命は救われることになりました。
死者の肉体に新たに宿った妖かしは、その肉体を自分のモノに再構築するために一度赤子から育ち直さなければなりませんでした。あの後意識を失った僕は、目覚めると赤ん坊となって創の腕に抱えられていました。
「イズル、もう安心していいからな。…仕事の関係で俺はずっとは一緒にいられないけど、俺ともう一人いた、狛枝ってやつのところにお前の面倒を見てくれる優しいやつが何人もいるから、寂しくないぞ」
そう言って僕の顔を見つめる創の顔は慈しみに溢れた表情でした。
「あ、イズルってのは俺が勝手につけた名前だから、嫌なら変えていいぞ。お前、身体は赤ん坊でも意識はしっかりしてるんだよな?だったよな狛枝?」
「そうだよ。それにこの子、その名前気に入ってるみたいだよ。良かったねカムクライズルくん、生まれ落ちた時に優しい人がいて、幸運だったね」
そう言った狛枝という人物は、なぜか少し拗ねた様子でした。今思えば自分の仕事に友人の創が出てきた挙句自分が子供の面倒を見ることになってげんなりしていたのでしょう。
僕という魂は男の性で、元の肉体は女、その結果僕の肉体は両性具有の女性よりの肉体となりました。
背は女性の平均より高いですが、身なりを整えたら女性と見える身体です。
その為再成長が完了した暁には帝となった創の后として問題なく宮に入りました。
運のいいことに元の肉体の主は大貴族の娘だったようで、宮の中でも強い立場に要られた為正室になるのには苦も無く、創もその愛寵を掛けるのは僕に一点集中だったので(一応周りに文句を言われないよう彼なりに立ち回ってくれましたが)後継ぎも生まれました。
そして、本人曰く自分はただのお飾りだと言っていた政(まつりごと)の件ですが…確かに彼自身政を行うには狸と狐が大量にいる内裏で困難な状態だったので、彼の決断力をサポートする形で僕が裏で助言を与えています。
創は確かに素人ですが、素人なりに倫理観を持ち合わせていますし、他人を無碍に利用しようとするのを嫌うため、もともと若手に非常に人気が有りました。彼なりの立場で弱者を助けるために裏で手を回すことが多く、その為の方法を僕が全面的に助言するという事があって、それなりに政も回っているようです。
それとくだらない理由で創の命を狙う莫迦共を僕が一掃しているのも事実です。
食事すら気を抜けない創の為に僕の部屋で食事することも多く、その時僕は自ら変装して料理を準備し、創にたっぷり食べてもらっています。ニコニコとお腹いっぱいごはんを食べる創を見られるのは僕くらいだろうと自負しています。見せてやるものですか。
創は僕の部屋にやって来るといつも僕の角を見たがります。僕の正体を知っているのは創と陰陽師の狛枝と僕の誕生に立ち会った神座家当主だけで、特に創は僕の角にとても執着しています。創曰く「一目惚れ」だったそうですが、僕にはその感覚が理解出来ません。
でも、創の前だけで僕の正体を明かすのは嫌ではありません。むしろ…。
普段は妖力を使って角を見えないようにしていますが、そもそも高貴な立場にいる女性は人前に顔を出さないものなので、殆ど御簾の中で着物を頭に被って過ごしています。
人払いをした室内に、御簾ごしに創からの「イズル」の声が聴こえたら、僕はただじっと待ちます。
とくりとくりと高鳴る胸を抑え、御簾をかき分ける創の雄らしい節くれだった手が見えると、僕は頭を垂れ、頭を創に差し出します。
そっと頭巾代わりの衣を頭から滑り落として、創が僕の角に口付けするのが合図で、閨の営みが始まります。
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