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O~必要不可欠要素~

ヲタクブログです。 絵は無断で持ってかないでください。 ついったーでも呟いてます→wataame1gou シブ垢→523874

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需要はなくても苗日苗が好きで書きたいので、「溺れた人魚」のIF後日談。
狛枝が可哀想だから人魚での日向くんは浮気しないけど、あの設定での苗日苗も書けそうだなって思ったら手が勝手に(ry
まあ、あれです。百合が好きなんです。
『我らが人魚姫の想う王子様とはどんな人物ですか?』
「…カムクラくんが君の王子様以外に他人に興味を持つって僕思ってなかったよ。うーん、そうだね…。
君の王子様に雰囲気が似てる人かな。顔とか見た目は全然違うんだけど、なんていうか柔らかい雰囲気を持ってて、でも我がしっかりしてて、ズバズバ自分の意見を言って、あとなんだかんだで皆に頼りにされてるかな。リーダーシップを取る統率タイプじゃなくて、なんだかんだで困った時に相談に乗ってくれるお兄さんみたいな人だよ」
『なるほど。その人物は貴方にとっても大切な人なんですね』
「…バレた?」
『まさかの三角関係とは考えていませんでした』
「そんな大層なものじゃないよ。…日向くんは誰にでも優しいから」
『・・・』

カムクラくんとタブレット越しに会話していると、部屋の扉をノックされた。その瞬間タブレットの画面からカムクラくんが消え、僕はどうぞと返事をした。

「邪魔するな、苗木」
「あ、日向くん」
「今回も狛枝のサポートお疲れ様。いつもお前に任せてごめんな?あいつの引きでフォローするの大変だと思うけど、お前がいてくれて本当に感謝してるよ。…あいつを引き止めてくれて、ありがとう」
「ううん。僕も僕自身の「幸運」っていまいち良く把握してなくて、こんな形でしか組織の役に立ってない気がするから逆に狛枝くんに「仕事くれてありがとう」って思ってるよ。…それに狛枝くんを引き止めてくれてるのは日向くんもでしょ?」
「そうか?」
「そうだよ。日向くんが狛枝くんの帰ってくる場所を守ってくれてるから、狛枝くんはここに戻ろうって思ってるんだ。…そうじゃなきゃ狛枝くん、もっと捨て身で調査をしてるだろうから」
「…」

狛枝くんは、噂でしか聞いたことないけど、ここにやってくるまでに壮大な経歴を辿っているらしい。それこそ何度命を落としてもおかしくないような経験をしてきている。そして一見わからないように巧妙に隠されている彼の誰も近づかせない壁と自虐的な発言は、いかに今まで彼が傷つき生きてきたのかを証明していた。彼を深く知ろうと思わなければ気付かないほど巧妙なそれは、必然的に傍にいることになった僕と、多分彼を放っておけなかった日向くんくらいしか気付いていない。…もしくは気付いても狛枝くん自身の頑なさに折れて干渉しなくなった人もいるかもしれない。僕みたいにね。
僕が狛枝くんに意見するには、その「権利」がないらしい。何というか、狛枝くんは僕を拒絶しているところがある気がする。その原因は僕が彼と同じ「幸運」持ちだからということに起因するようだ。
…僕が言うのもなんだけど、狛枝くん頑固だからなあ…というのが正直な感想だ。
そして僕としても同じ職場の同僚に首突っ込んで職場で気まずい気分になりたくないので、そっとしているというのが現状だ。
他人を救える、だなんて大層なことが出来る人間じゃないことは自分でわかっている。それに、狛枝くんは日向くんに懐いている様子だったから、彼に一任していた。
…ちょっと日向くんに懐きすぎな気がしなくもないし…あんまりずっとベッタリなのも、正直アレなんだけど、ね。
空気を変えるために、僕は話を転換した。

「それで、日向くんはその御礼を言うために?」
「あ、いや、その…」

何故か日向くんが言葉を詰まらせた。どうやら他の理由もあるらしいけど、言い出しにくいのかな?

「?まあともかく、日向くんが来てくれて嬉しいよ。そうだ!さっき不二咲くんから差し入れを貰ったんだ!良かったら食べない?」
「そ、そうだな!俺ちょうど今休憩時間なんだ。ここティーポットあったよな。お茶入れてくる」
「あ、そんな気を使わなくても、僕の部屋なんだし僕が準備するよ。お客様だもん、日向くんは座ってて」
「いいって、ここの管理してるの俺なんだから、備品なら俺の方が詳しいと思うぞ。この銘柄好きだったろ」
「え、う、うん。でも、僕言ったことあったっけ?」

僕が何気なく言うと、日向くんの顔が真っ赤になっていた。
…もしかして、日向くん、僕が好んで飲んでる銘柄をチェックしてた?

「日向くん!」
「は、はい!」
「淹れるのお願いしていい…?僕、お菓子の準備しとくから」

そう言って日向くんの顔を下から覗きこむと(身長差のせいでどうしても覗き込む形になっちゃうのが少し悔しい)日向くんは勢い良く顔を縦に振って給湯室に走って行ってしまった。
どうしよう、あんな反応されちゃうと、期待しちゃうな…。

日向くん、本気で落としちゃって、いい?

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