O~必要不可欠要素~
ヲタクブログです。 絵は無断で持ってかないでください。 ついったーでも呟いてます→wataame1gou シブ垢→523874
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
2月18日ついったで書いてたフリゲー『Tower of Heaven天国の塔』のカムさんと日向くん変換ネタまとめ。適当な英語翻訳が混ざっているので雰囲気で読んでいただきたい。
良いゲームなのでオススメっす。
→http://www.newgrounds.com/portal/view/544332
ちなみにこのゲーム、ルールを破ると『塔の声』から裁きの雷が落ちてきて頭がパーンします。避雷針みたいなアンテナといい、富(と言う名の才能)を求める強欲さといい日向くんを思い出したのでまとめて書いてみた。
良いゲームなのでオススメっす。
→http://www.newgrounds.com/portal/view/544332
ちなみにこのゲーム、ルールを破ると『塔の声』から裁きの雷が落ちてきて頭がパーンします。避雷針みたいなアンテナといい、富(と言う名の才能)を求める強欲さといい日向くんを思い出したのでまとめて書いてみた。
天国の塔と呼ばれるとても長い長い塔があった。
その塔は空と大地の地平線を真っ二つにするかのように見上げる限り伸びていたから、俺はソコに俺の望むものがあるのだろうかと登ってみたかったのだ。
塔に入ると、何者かの声が聞こえてきた。
正確にはその声は空気を震わせて響いたものではなく、頭のなかを反響しているような音のような気がした。なにしろこの塔には生の営みを感じられる音が全くなかったし、寒々しい空気が通り抜ける音しかしなかったからだ。
『…おや、また迷える魂がやってきたのか…
…貴方はここの恐ろしさを理解できていないのですね。お好きにされてください。ただし僕は愚鈍な人間には「オシオキ」をしますがね。』
その言葉と共に俺のすぐ横に突如雷が落ちてきた。これがオシオキだと?即死じゃないか!
俺は目前に見える階段を慌てて駆け上がった。
するとその上の階にたどり着いてまた声が聞こえてきた。
『ただ階段を登るだけなら何の危険もないのですがね。貴方もわかっているでしょうけれど。』
その階には落とし穴もあれば危険な罠も仕掛けられていた。恐る恐る隙間を通り、俺は次の階段を目指す。
『きわどかったですね。もし先に進みたいのであればこれ以上の危険が貴方を待ち受けているでしょう。…貴方は僕の信頼を得るためには進むしかないのですが。 』
俺としてはこの声の主に気に入られたいと思っているわけではなかったけれど、もっと彼の話を聞いていたいと思っていた。何を考えて、孤独にこんな塔にとどまっているのだろう。
突如現れる回転のこぎりの隙間を狙って階段を昇った先には、何の素材で出来ているのかよくわからない板のようなものがあった。
『ここまで登ってくるのは珍しいですね。やったことはありませんが…試してみましょうか。ソコにあるのは’法典’です。ルールを付け足しましょう。』
「金色の足場に触れてはならない」
その板…法典にはそう書かれていた。試しに近くの石を金色の足場に投げると、粉々に砕けた。どういうギミックなんだこれ。金色に変色する足場に注意しながら先に進む。
次の階にたどり着くと、法典に文字が刻まれた。
「足場や壁の側面に触れてはならない」
それくらいしないとツマラナイでしょう、とのたまう声の主にワンパン入れたくなったが、今は無意味だと俺は拳を握るだけにとどめた。
それからも階を登るごとに理不尽なルールは追加されていった。
「左に歩いてはならない」と言われて必死にジャンプして進めば、勢い余って草に覆われて気付けなかった落とし穴に落ちてしまった。
落ちた先にもちゃんと階段があり、そしてそこには大きな箱も鎮座していた。
箱を開けると、そこには運びきれないほどの金貨が詰まっていった。それを眺めて、これがこの塔が天国の塔と呼ばれる所以なのだろうかと考える。確かにこれを持ち帰れば天国のように幸せに暮らせるのだろう。問題なく罠だらけの塔を降りていけたらの話だろうが。 俺は箱の蓋を閉じて先に進んだ。
『遅かれ早かれ、貴方は失敗するでしょう。貴方は残念ながら、この塔を攻略しようとやってきた人間たちと何ら変わらない。貴方は「特別」ではないのです。
この先にある「結果」を望むのであれば…貴方は人であることを捨てなければならない。有限である、その幸せを。』
そう声が響いた後に法典に刻まれた言葉は、「生あるものに触れてはならない」だった。
室内を飛び回る蝶はもちろんの事、自生している草木にも近寄ることが出来なくなり、俺は疑心暗鬼のまま心休める暇もなく先に進まざるを得なかった。
そうして苦心して進んでいった先にあったのは、絶望だった。
階段へ至る出口に、草木が覆い茂って先に進めない。くまなく調べたものの、階段へ通じる出口の半径5mに渡ってみっしりと雑草が生えていた。
他に出口は無いのか、俺は頭を振って周囲を見渡した。少し高台になるところに出窓がある。足を引っ掛けて眺める程度は出来そうだ。
俺は苦し紛れに出窓から身を乗り出した。
すると、その途端手にしていた’法典’が粉々に砕け散った。
塔の外ではルールなど無意味だと云うことなのだろう。そこは既にかなりの上空に達していて、外はもう既に暗闇に覆われていた。空を仰ぐととても大きな満月が照らしている。俺は慎重に外壁を登っていった。
あと少しで上階の出窓に届く、その直前で俺は足を滑らせてしまった。なんとかしがみついて降りた先は下の階の出窓だった。今まで頑張った意味は何だったんだろうと思いながらも中に入ると、そこにも以前見つけたような箱が鎮座していた。開けてみると、色とりどりの宝石が満帆に詰められていた。
俺は無言でその箱の蓋を閉じた。
奥に進む階段を登ると、そこは塔の頂上だった。
地上の暖かさなど知らないかのように凍てつくほど寒いそこに、一匹どこから紛れ込んだのか蝶が飛んでいる。声が聞こえてきた。
『「富」は見つけられましたか。ここはもう空っぽで、何の役にも立たないものに成り果てました。この塔ももう何の意味もなくなったということでしょう。
…この塔での成果は貴方にとって真に価値のあるものでしたか?
それなら良かった、この塔の役目も終わりでしょう。最後に一つ貴方に祝福を与えましょう。
貴方が進むのはここまで、これより先に進んではなりません』
(無限の者になる不幸を貴方はほんの少し知った。生あるものに触れることが出来ない、有限の者の命を刈り取ることしか出来ない「此方側」に貴方が来る必要はない)
『さよなら、旅人よ。』
その言葉が響いた後、長い長い塔は崩壊した。
「富」とはなんだったのだろうか。俺はそれを望み、その為に人である事を捨てたのか。
役目を果たした塔は沈黙し、気づけば俺の腕に蝶が止まっていた。
・
その塔は空と大地の地平線を真っ二つにするかのように見上げる限り伸びていたから、俺はソコに俺の望むものがあるのだろうかと登ってみたかったのだ。
塔に入ると、何者かの声が聞こえてきた。
正確にはその声は空気を震わせて響いたものではなく、頭のなかを反響しているような音のような気がした。なにしろこの塔には生の営みを感じられる音が全くなかったし、寒々しい空気が通り抜ける音しかしなかったからだ。
『…おや、また迷える魂がやってきたのか…
…貴方はここの恐ろしさを理解できていないのですね。お好きにされてください。ただし僕は愚鈍な人間には「オシオキ」をしますがね。』
その言葉と共に俺のすぐ横に突如雷が落ちてきた。これがオシオキだと?即死じゃないか!
俺は目前に見える階段を慌てて駆け上がった。
するとその上の階にたどり着いてまた声が聞こえてきた。
『ただ階段を登るだけなら何の危険もないのですがね。貴方もわかっているでしょうけれど。』
その階には落とし穴もあれば危険な罠も仕掛けられていた。恐る恐る隙間を通り、俺は次の階段を目指す。
『きわどかったですね。もし先に進みたいのであればこれ以上の危険が貴方を待ち受けているでしょう。…貴方は僕の信頼を得るためには進むしかないのですが。 』
俺としてはこの声の主に気に入られたいと思っているわけではなかったけれど、もっと彼の話を聞いていたいと思っていた。何を考えて、孤独にこんな塔にとどまっているのだろう。
突如現れる回転のこぎりの隙間を狙って階段を昇った先には、何の素材で出来ているのかよくわからない板のようなものがあった。
『ここまで登ってくるのは珍しいですね。やったことはありませんが…試してみましょうか。ソコにあるのは’法典’です。ルールを付け足しましょう。』
「金色の足場に触れてはならない」
その板…法典にはそう書かれていた。試しに近くの石を金色の足場に投げると、粉々に砕けた。どういうギミックなんだこれ。金色に変色する足場に注意しながら先に進む。
次の階にたどり着くと、法典に文字が刻まれた。
「足場や壁の側面に触れてはならない」
それくらいしないとツマラナイでしょう、とのたまう声の主にワンパン入れたくなったが、今は無意味だと俺は拳を握るだけにとどめた。
それからも階を登るごとに理不尽なルールは追加されていった。
「左に歩いてはならない」と言われて必死にジャンプして進めば、勢い余って草に覆われて気付けなかった落とし穴に落ちてしまった。
落ちた先にもちゃんと階段があり、そしてそこには大きな箱も鎮座していた。
箱を開けると、そこには運びきれないほどの金貨が詰まっていった。それを眺めて、これがこの塔が天国の塔と呼ばれる所以なのだろうかと考える。確かにこれを持ち帰れば天国のように幸せに暮らせるのだろう。問題なく罠だらけの塔を降りていけたらの話だろうが。 俺は箱の蓋を閉じて先に進んだ。
『遅かれ早かれ、貴方は失敗するでしょう。貴方は残念ながら、この塔を攻略しようとやってきた人間たちと何ら変わらない。貴方は「特別」ではないのです。
この先にある「結果」を望むのであれば…貴方は人であることを捨てなければならない。有限である、その幸せを。』
そう声が響いた後に法典に刻まれた言葉は、「生あるものに触れてはならない」だった。
室内を飛び回る蝶はもちろんの事、自生している草木にも近寄ることが出来なくなり、俺は疑心暗鬼のまま心休める暇もなく先に進まざるを得なかった。
そうして苦心して進んでいった先にあったのは、絶望だった。
階段へ至る出口に、草木が覆い茂って先に進めない。くまなく調べたものの、階段へ通じる出口の半径5mに渡ってみっしりと雑草が生えていた。
他に出口は無いのか、俺は頭を振って周囲を見渡した。少し高台になるところに出窓がある。足を引っ掛けて眺める程度は出来そうだ。
俺は苦し紛れに出窓から身を乗り出した。
すると、その途端手にしていた’法典’が粉々に砕け散った。
塔の外ではルールなど無意味だと云うことなのだろう。そこは既にかなりの上空に達していて、外はもう既に暗闇に覆われていた。空を仰ぐととても大きな満月が照らしている。俺は慎重に外壁を登っていった。
あと少しで上階の出窓に届く、その直前で俺は足を滑らせてしまった。なんとかしがみついて降りた先は下の階の出窓だった。今まで頑張った意味は何だったんだろうと思いながらも中に入ると、そこにも以前見つけたような箱が鎮座していた。開けてみると、色とりどりの宝石が満帆に詰められていた。
俺は無言でその箱の蓋を閉じた。
奥に進む階段を登ると、そこは塔の頂上だった。
地上の暖かさなど知らないかのように凍てつくほど寒いそこに、一匹どこから紛れ込んだのか蝶が飛んでいる。声が聞こえてきた。
『「富」は見つけられましたか。ここはもう空っぽで、何の役にも立たないものに成り果てました。この塔ももう何の意味もなくなったということでしょう。
…この塔での成果は貴方にとって真に価値のあるものでしたか?
それなら良かった、この塔の役目も終わりでしょう。最後に一つ貴方に祝福を与えましょう。
貴方が進むのはここまで、これより先に進んではなりません』
(無限の者になる不幸を貴方はほんの少し知った。生あるものに触れることが出来ない、有限の者の命を刈り取ることしか出来ない「此方側」に貴方が来る必要はない)
『さよなら、旅人よ。』
その言葉が響いた後、長い長い塔は崩壊した。
「富」とはなんだったのだろうか。俺はそれを望み、その為に人である事を捨てたのか。
役目を果たした塔は沈黙し、気づけば俺の腕に蝶が止まっていた。
・
PR