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O~必要不可欠要素~

ヲタクブログです。 絵は無断で持ってかないでください。 ついったーでも呟いてます→wataame1gou シブ垢→523874

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喜び勇んで書いてみる


いつもより早く終わったバイト先を駆け足で抜け出す。本当は休みが入ったらなお良かったんだけど、バイト時間を某ウェブ生放送の放映時間に合わせてずらせただけでも御の字かなって思うことにする。次回は絶対、簡易的な放送スタジオになっちゃってる彼のマンションに突撃して機材チェック手伝う代わりに放送現場を生で見るんだ!

こうやって前世の友達とつるむのに物理的な距離の問題と時間の問題が立ちはだかるとわかってたら、親を丸め込んで大学近くにアパートでも借りてたんだけどな…って今更後悔してる。うん、でも当時ほとんど腐海と言ってもいい程PCをカスタマイズしちゃった結果引っ越すの面倒臭い!って思った自分の選択の結果だから仕方ない。これで親に納得できる理由つけるにはアパート借りる為の頭金くらいは自分で稼いで頼み込むしかないだろうな…と遠い目をしていたら自宅についた。
急いで自転車に鍵をつけて家に入る。
未だに部屋の一角を腐海のようにしているPCの前に座って電源を立ち上げる。今日は彼らの初めてのにこ生だ。

「あー…テステス。これ聞こえてるかな?」

僕は端末の向こう側からコメントを打ち込む。
@あるみかん「大丈夫だよ。っていうか僕が前日にテストしたから、ジャンやレンが下手に触ってなければ問題はないよ」

「おいこらアルミ…かん、最初からその黒い発言やめろよ。てかお前判別つきにくいから地コメで打つんじゃなくて関係者コメから打ち込め。
あ、どうもー、ゆるゆるーっと始めてます。今回初の歌い手レンとぼかろPやってますジャンのにこ生ラジオ、『お前一発殴らせろ』でーっす!」
@レン「本当このラジオのタイトルどうにかならなかったのか」
「うっせえレン、文句あるんなら企画の時点から言え!お前もろくなタイトル思いつかなかっただろ!」

歌い手レンこと本名エレン・T・イェーガーは今をときめく本業俳優、趣味歌い手兼踊り手のニコのヘビーユーザーだ。そして僕らの前世からの友人でもある。ニコでの活動ではその本業としての身バレを回避するのが条件らしく、ファンにはうすうすその正体がバレているものの明言されたら全て削除すると公言しているので、ここではエレンの名前はタブーになっている。ネタでも出せないよ。
どうやら声だけの出演も事務所的に無理だったらしく、ジャンと同じスタジオ…というかスタジオになっちゃってるエレンのマンションに一緒にいるにも関わらず、コメントでしか参加出来ないようだ。
まあどうしても発言したくなった場合用に準備はしてあるんだけども。

ぷぴー、という気の抜けた妙な音がスピーカーから流れてきた。
「えーっと、今回カメラ無しで画面がない状態なので俺が説明しますけど、レンが生産数量限定版の押せば音出るエレンちゃん人形を不服そうに押した音ですー。本当なんだよコレ、こんなもんにプレミアついてるとか本当よくわかんねえ世の中だよな。…ん?!なんだ猛者がもう市場に追加したって?…あ、ありがとうございます…あるんだ、市場に」

画面を更新して下を見てみると確かに関連商品を自由に追加できる「市場」にエレンちゃん人形が追加されていた。これは事務所的に大丈夫なんだ。

「ボーダーラインどこなんだろ…」
全くだ。

「えーっと、さっそく初のにこ生なんだけど、何を話せばいいんだろうな。俺達が組みだした馴れ初め的な話からすればいいのか?」
@レン「馴れ初め言うな恥ずかしい」
@あるみかん「ちょっと待ってレン、その発言はヤバイ」
@レン「え、何が?」
@あるみかん「天然…だと…」
「おーい、コメントでイチャつくな関係者どもー」

最初からかっ飛ばしてカオスになっていく関係者達にレンことエレンのファンやジャンのファン、そして二人の絡み…じゃなかった組み合わせが大好きな方々が沸き立って来ているのがコメントの増え方でわかる。
エレンもどこまで本気なのか把握しきれないけど、ジャンの方は大体本気だから僕としてもからかいづらくて困る。ああ、マルコもこの場に居たらなあ…ジャンのフォロー頼めるのに、今日に限ってバイト回避出来なかったなんて。
ちなみにマルコは今ジャンのシェアルームメイトにもなってて、ジャンや僕らと同じ大学に通っている。前世と同じ様に一つ年上で特にジャンの事を弟をみるように可愛がってくれている。

「あーうん、最初のきっかけな。手っ取り早く言えばレンが俺の歌を歌ってくれてたって事と、元々俺達が古い知り合いだったって事で俺が驚いてレンに連絡取ったのがきっかけだな。俺はもう一つのレンの活動の事は気付いてなくって散々スルーしてたんだけど、レンの方は昔の知り合いに合うきっかけになればって色々精力的にやってたらしい。最近まで気付かんで正直すまんかった」
@レン「許す」
「くっそ、コイツに上からで言われるとすっげ悔しい」
@レン「なん…だと…」
@あるみかん「わかる」
@レン「えっ」

ものすごく身内話になりつつある気がするんだけど大丈夫かな…僕らはこの上なく楽しいけど。

「まあこの話はこれくらいでいいか。次はえーっと…ああ、レンがぼかろPのジャンと歌い手のジーンがイコールかわかったのかってのはそういう理由だな。レンは古い知り合いだったから歌い手だった俺の声がジャンの声だって知ってたんだよ。でもぼかろPだった方の俺は知らなかったけどな」
@レン「そりゃあっちも自分で歌ってればわかってたのに」
「悪かったな、自分で歌う気になれない曲をボカロ曲にしてたんだよ。歌う気になれないっていうか、声域的に無理なやつな」
@あるみかん「それだってピッチ変更すればいけるジャン」
「オイあるみかん、後で校舎裏来い。あのな、ピッチ変更はできたらやりたくないんだよ、曲作ってる身としては。最初からこの音で行きたいっていう理想があって、それに合わせる必要がなければそれに越したことないし、理想にそぐわない声だっていうのは俺が一番わかってるんだから」
@レン「それでも、」
「俺はジャンが歌ってるの聴きたい!」

僕はびっくりした。多分放送聴いてた人は全員びっくりしたと思う。いきなりエレンの声が聴こえてきたからだ。
しかもものすごい震える裏声で。
コメント欄は「?!」「びっくりした」「おおおレンくんの生声だああああ」「なんで裏声wwでも歌ってる時の高音加工編集じゃなかったんだなwww」と様々なコメントで一気に弾幕状態になっていた。

「…ぉぃ、おい、マイク奪うな!お前話すならそっちのボイチェン使えって言ってただろ!っていうかお前、まさか…今回にこ生したいって言ってたの、これが目的か?」
@レン「うん」
@あるみかん「うん」
「…おい…あるみかん…お前もか。お前マジで今度校舎裏な。はー…くっそ、アイツには悪いけどこれタイムシフト無理な。レンの生声的な意味で。それと勝手に魚拓とってもアイツの事務所から圧力くると思うからやめとけよ」

流石ジャン、釘刺しが的確だ。でもこの回は間違いなく大百科にも書かれる事件になるだろうな。ちなみにジャンが言った「アイツに悪いけど」のアイツは多分マルコの事だろう。僕がしれっと個人用に録画してるからそれで大丈夫だろうけど。
チラッとタグを見ると既に「神回」タグが追加されていた。そうだろうね。

ゴソゴソ音がしたかと思うとボイチェン越しのエレンの声が聞こえてきた。
「だってージャンは自分の作った曲自分で歌わないじゃんかー。それが俺達には不満なんですよねー。ジャンの曲本当にカッコイイし色っぽい曲多くてジャンの歌い方にマッチすると思うんだよなー。せめて一曲でもいいから歌ってくれないかなーって。デュエット曲なら俺で良ければ一緒に歌うし」
そうエレンが発言した後コメントがすごいことになった。はじめはエレンのジャンの曲に対する発言に同意コメが多かったのが、最後のデュエット曲のくだりになって「きゃあああああ」「ああああああああ」「マジでか!!!!!!」等もはや発狂に近いコメントばかりになっている。
なんでこうなってしまったかというと、ジャンが動画サイトに投稿している曲はしっとりバラードもあるものの、人気のあるアップテンポの曲は大体歌詞がエロティックな連想をさせるものが多く、特に最後エレンが言ったデュエット曲は1曲しかない。しかもその曲は歌っているボカロが女性同士で恋愛を連想させる同性愛的なニュアンスの含んだ曲だったので、それを歌い手レンと作曲者であり別枠で伏せてなお人気のあった歌い手ジーンの二人が歌えば…その、一部事象腐っていると公言している方々には発狂したくもなる展開というわけで。
僕の見ているコメント欄にも「レンジーンhshs」「やめろここでそれは自重しろわかるけどなあああ」等暴走しまくって混乱しているコメントが滝のように流れていた。
最後の一言はどう考えても余分です…エレンさん…。
僕は当初ジャンに動画サイトでアップロードしてる自作の曲を彼自身に歌って欲しいという願いしか聞いてなかったわけなんだけど、そっちが本当の願望なのか…。
もはやこれだけお祭り騒ぎになってしまったら、ジャンは乗るしかこの場を切り抜ける事は無理だろう。恐ろしいあざとイェーガー。
恐らく呆然自失となってたんだろうジャンが復活する頃には、もはやNOを言える空気にはなっておらず、彼の逃げ場はない状態になっていた。

「…くっそぉ…マジ卑怯だぞこの死に急ぎ野郎…」
@レン「ドヤァ」
@あるみかん「」

可哀想に、ご愁傷様です。ジャンが歌を歌ってくれるのは凄く嬉しいけどね。


この放送後しばらく経って、本当に悔しそうに渋々アップロードした初のエレンとジャンのデュエット曲であり、唯一ジャンが自ら歌った自分の曲は様々な人たちを「目覚めさせた」という伝説のタイトルになり、今日も再生数がうなぎ登りになっている。

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